東京・世田谷、マンションの一室を改修した、きものを商う場。
着る人が減るなかで、商いのかたちは変えずに、売り場の奥へ本格の茶室をしつらえた。
着るための「機会」そのものを作る、茶室サロンという発想である。
入り口には一枚板の大きな机を据え、誂えや相談の席に。
中ほどの畳敷きは、講座にも観客席にもなる。茶室は一段上げれば舞台となり、茶の稽古はもちろん、落語や日本舞踊の会にも活用可能。
帯や草履が静かに並ぶ売り場と、もてなしの茶の間が、ひと続きの時間でつながれている。
宵に灯る、店のいりぐち
日が落ちると、一枚板の机ごしに店のあかりが浮かぶ。
硝子戸の向こうに紋がともり、しまいの時間が静かに整う。
売り場の奥の、本格茶室
帯の並ぶ売り場の奥に、畳と床、自然のままに曲がる柱を備えた茶室。
着るための機会を、ここで育てていく。
誂えの席と、帯の道
入り口の一枚板の机から、帯の並ぶ畳の売り場へと視線が伸びる。
相談から見立てまで、ひと続きの所作で迎える。
自然のままに曲がる床柱
床脇に立つ、自然のかたちを生かした柱。
木地に散らした円形の象嵌が、灯りを受けて静かに光る。